不動産
フランスの35%返済負担率ルール:銀行はいくら貸してくれるか
フランスの住宅ローンの多くは一つの比率で決まります。保険料込みのすべての返済額を手取り収入の35%以内に。そのしくみを解説します。
読了時間 5分
Yield Analyst編集部 · 計算方法について
2026年10月18日公開
米国の金融機関は2つの比率とさまざまなローン制度を組み合わせます。フランスでは、住宅ローンの多くが一つの数字で決まります。すべての返済額が収入に占める割合です。その中身を正確に知れば、銀行に行く前に借入可能額がわかります。
ルールを一言で
2022年1月以降、フランスの金融機関は金融安定高等評議会(Haut Conseil de stabilité financière、HCSF)が定めたルールに従う必要があります。借り手の返済額(団体信用保険料込み)は手取り収入の35%まで、住宅ローンの期間は25年までです。新築や工事を伴う購入で返済開始が遅れる場合は、27年まで延ばせます。
比率の計算方法
返済負担率(taux d'endettement)は、毎月のすべての返済額を月の手取り収入で割ったものです。返済額には、新しい住宅ローンと保険料、今後も続く借入(自動車ローン、消費者ローン、奨学金)、支払っている扶養料が含まれます。払わなくなる家賃、日々の生活費、光熱費、固定資産税は含みません。
収入とは所得税控除前の手取り収入で、社会保険料控除後の給与、年金、その他の定期収入です。家賃収入は空室や費用を見込んで約70%で数えられることが多く、賞与や不定期の収入は平均されたり除外されたりすることがあります。
具体例
月の手取り収入が$5,000で、自動車ローンが$250の世帯を考えます。$5,000の35%は$1,750なので、自動車ローンを差し引くと、住宅ローンに保険料込みで毎月$1,500を充てられます。
金利3.5%・期間25年、団体信用保険料が借入額の年0.3%なら、この返済額で約$285,000を借りられます。20年なら同じ返済額でも約$248,000にとどまります。先に自動車ローンを完済すれば、25年での借入可能額は約$333,000に増えます。
20%の柔軟枠
このルールは絶対ではありません。金融機関は四半期ごとに、新規住宅ローンの20%までを2つの上限の外で融資できます。その枠の少なくとも70%は自宅購入者に、少なくとも30%は初めての購入者に充てられます。誰に適用するかは金融機関が決め、通常は貯蓄や残りの収入から見てリスクの低い申込者なので、当てにすべきものではありません。
残りの収入も重要
35%以内に収まっても融資が保証されるわけではありません。金融機関は、すべての返済後に残る収入(reste à vivre)も確認します。同じ35%でも、収入が高ければ生活に回せるお金はずっと多く、4人家族は単身者より多くを必要とします。貯蓄、雇用の安定性、口座の管理状況も考慮されます。
借入可能額を増やすには
まず小さな借入を完済しましょう。すでに払っている毎月の返済は、そのまま35%から差し引かれます。申し込み前に自動車ローンや消費者ローンを返せば、借入可能額が大きく増えることがあります。
団体信用保険を比較しましょう。保険料も35%に含まれるため、安い保険にすればその分借入に回せます。銀行以外の保険会社を選ぶこともでき、2022年からはルモワン法により借入期間中いつでも保険会社を変更できます。
最長期間を使いましょう。20年から25年に延ばすと借入可能額は増えますが、借入期間全体の利息も増えます。
自己資金を用意しましょう。自己資金は借入可能額そのものは変えませんが、払える価格を引き上げ、通常は公証人費用をまかないます。金融機関は諸費用を自己資金で払うことを好みます。フランスの公証人費用:いくら見込むかをご覧ください。
米国との比較
米国の金融機関は28/36ルールを使い、固定資産税、火災保険、管理費を住居費に含め、税引き前の収入と比べます。フランスのルールはこれらの費用を含めず、代わりに団体信用保険を数え、手取り収入を使い、単なる目安ではなく拘束力のある規制です。米国版は28/36ルールのガイドで解説しています。
フランス借入可能額 計算ツールなら、保険料込みの35%ルールと公証人費用を当てはめて、目指せる価格を計算できます。