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不動産

良いキャップレートとは?何を買うかによって変わる

キャップレートはリスクにつけられた値札です。物件・市場・借入コストと照らし合わせて判断する方法を解説します。

読了時間 5分

Yield Analyst編集部 · 計算方法について

2026年10月05日公開

「良いキャップレートとは?」は不動産投資で最もよく検索される質問のひとつですが、正直に言えば単一の数字はありません。キャップレートは賃料収入の流れに市場がつける価格であり、その価格は収入がどれだけ安全で安定し、成長しそうかによって決まります。5%のキャップレートが妥当な取引のこともあれば、10%が割に合わない取引のこともあります。

計算式のおさらい

キャップレート=営業純利益(NOI)÷物件価格×100。営業純利益とは1年分の家賃から空室損と、税金・保険・修繕・管理などの運営費を差し引いたものです。ローンは含まないため、キャップレートは買い手のローンではなく物件そのものを表します。NOI$30,000を生み、$500,000で売られている建物のキャップレートは6%です。

キャップレートが高いほど良いとは限らない理由

買い手にとってキャップレートが高いことは価格あたりの収入が多いことを意味するので、点数のように扱いたくなります。しかし市場がそれほど気前よいことはまれです。キャップレートが高いのは、買い手が何かを補うために追加の収入を求めているからです。需要の弱い地域、大規模修繕が必要になる古い建物、短い賃貸契約、信頼性の低い入居者、下落が見込まれる家賃などです。

キャップレートが低いのは、リスクが小さい、あるいは成長が見込めるとして、買い手が今の収入が少なくても受け入れるときです。一等地、新築の建物、優良テナントとの長期契約、家賃が上昇している市場などです。低いキャップレートは市場が「この収入は安全で伸びそうだ」と言っているのであり、高いキャップレートは「証明してみせろ」と言っているのです。

キャップレートを動かす要因

立地。買い手と借り手が多く流動性の高い大都市は、一般に小さな町よりキャップレートが低くなります。小さな町では、ひとつの雇用主が撤退しただけで通りが空っぽになることもあります。

物件の種類。物件の種類ごとにリスクは異なります。小口の入居者が多い集合住宅は空室リスクが分散されますが、事業用テナントが1社だけの建物は満室か完全な空室かのどちらかです。

状態と築年数。近く屋根の交換が必要な物件は、収入の一部がそのまま建物に戻っていくため、より高いキャップレートで取引されるべきです。

金利。キャップレートは借入コストや安全な債券の利回りに、たいてい遅れて連動します。安全な投資の利回りが上がれば、買い手は不動産にもより多くを求め、キャップレートは上がり価格は下がります。

小さな変化が大きな価格変動を生む

価格=営業純利益÷キャップレートなので、キャップレートが少し変わるだけで価格は大きく動きます。同じNOI$30,000でも、キャップレート5%なら$600,000、6%なら$500,000の価値です。家賃はまったく変わらないのに、キャップレートが1ポイント上がっただけで価値は約17%下がりました。

これは逆方向にも働きます。高いキャップレートで買い、市場のキャップレートが下がってから売れば(キャップレートの低下と呼ばれます)、大きな利益が生まれることがあります。低いキャップレートで買うと余地は小さく、金利が上がりキャップレートが追随すれば、家賃が維持されていても価値は下がりえます。

実際にキャップレートを判断するには

同じ条件のものと比べる。役に立つのは、同じ地域で最近売れた似た物件との比較です。それらを大きく上回るキャップレートは、買い付けを入れる前にまず理由を確かめるべきです。

NOIを自分で計算し直す。広告のキャップレートは、その基になるNOIの正確さ次第です。売り手が空室、管理費、修繕費を除外して数字をよく見せていることもあります。比較する前に、現実的な費用で計算し直しましょう。

資金コストと比べる。借入を予定しているなら、キャップレートはローンのコストを十分に上回っているべきです。そうでなければ、レバレッジは現金リターンを増やすどころか減らしてしまいます。キャップレートとキャッシュ・オン・キャッシュ・リターンの解説で具体例を紹介しています。

安全資産との利回り差を見る。物件のキャップレートと国債利回りの差は、リスクのない資産ではなく建物を持つことで得られる追加の収入です。その差が小さいなら、追加の手間とリスクに対してわずかな対価しか得ていないことになります。

結局、良いキャップレートとは?

多くの住宅用・事業用物件のキャップレートは、おおむね4%から10%の範囲に収まることが多く、低い側は低リスクの一等地、高い側はリスクの高い市場や古い建物です。良いキャップレートとは、目の前の物件に固有のリスクに見合った対価を、自分で確認したNOIに基づいて支払ってくれ、なおかつ借入コストに対してプラスの余裕を残すものです。

キャップレート計算ツールで物件のキャップレートを計算するか、不動産投資計算ツールで資金調達、家賃の上昇、値上がりと組み合わせた結果を確認しましょう。